トイレを流したときや、お風呂の水を抜いたときに、便器から「ボコボコ」と音がすることがあります。いつもと違う音なので、何か壊れたのではないかと不安になる方は多いです。
私は現役の浄化槽管理士として毎月150件から200件のお宅を点検していますが、この「ボコボコいう」という相談は月に1回あるかないかくらいの頻度で入ります。決して珍しいトラブルではありません。
この記事では、実際に呼ばれて現場を見てきた立場から、一番多かった原因と、すぐ連絡してほしい危険なサインをお伝えします。
ネットで調べると「大雨のときの現象だから心配ない」と出てくるのですが、浄化槽のお宅だと事情が少し違うんです。そこをお話ししますね。
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トイレがボコボコいうときに起きていること
ボコボコという音の正体は、排水と一緒に流れるはずの空気が、逃げ場をなくして押し戻されている音です。
普段、トイレの水は配管を通ってスムーズに浄化槽へ流れていきます。このとき水と一緒に空気も動いていて、水がスッと引くのはそのおかげです。
ところが配管のどこかが狭くなったり、水が溜まって空気の通り道がふさがれたりすると、押し出された空気が便器側へ戻ってきます。これが水面を通り抜けるときに、ボコボコという音になります。
つまりボコボコという音は、故障の音というよりも、配管のどこかで流れがつっかえているというお知らせだと考えてください。
🔊 ボコボコ音が出るしくみ
⭕ 正常なとき
水と一緒に空気も動くので、水がスッと引いていきます。
❌ ボコボコいうとき
配管が狭くなって空気が逃げられず、便器側へ押し戻されます。
現役管理士が呼ばれて一番多かった原因は配管の詰まり
ここが一番お伝えしたいところです。
私が「トイレがボコボコいう」と呼ばれて実際に見に行った現場で、一番多かった原因は配管の詰まりでした。浄化槽そのものの故障ではなく、家から浄化槽までの配管が詰まりかけている状態です。
配管が詰まりかけると、流れが細くなって空気が逃げられなくなります。そのまま使い続けると詰まりは進んでいくので、音が出ている時点で対処できると被害が小さくて済みます。
配管が詰まる原因そのものについては、浄化槽が詰まる原因と予防策でくわしく解説しています。トイレ側の詰まりが疑わしいときは、浄化槽の家でトイレが流れないときの原因と見分け方もあわせて読んでみてください。
音がした時点で連絡をもらえると、配管を洗浄するだけで済むことが多いです。詰まりきってからだと大掛かりになってしまいます。
ネットで「心配ない」と書かれているのは下水道の家の話
「トイレ ボコボコ」で検索すると、自治体のページがいくつも出てきます。川口市や神埼市、名取市などが同じ趣旨の案内を出していて、内容はおおむね次のとおりです。
大雨で下水道管に雨水が大量に流れ込み、管の中の空気が押し上げられて音が出る。天候の回復とともに収まるので、ほとんどの場合は心配いらない。
これは正しい説明です。ただしあくまで下水道につながっている家の話です。
浄化槽のお宅は、街の下水道管ではなく、自分の敷地の配管と浄化槽が相手になります。相手が違えば原因も変わります。だから同じ音が出ていても、「待っていれば収まる」とは限りません。
浄化槽と下水道の仕組みの違いは、浄化槽と下水道の違いで整理しています。
すぐ連絡してほしい危険なサイン
音だけで慌てる必要はありませんが、次の状態が出ていたら早めに保守点検業者へ連絡してください。
一番はっきりしたサインは、トイレを流したときに水位が上がってくることです。流したのに水が引かず、便器の水面がせり上がってくる状態は、配管の先で水が行き場をなくしています。
この状態で使い続けると、トイレが溢れることもあります。実際に溢れてしまった現場も見ています。床や壁に汚水が回ると、掃除も修理も一気に大変になります。
🚨 すぐ連絡してほしいサイン
- トイレを流すと水位が上がってくる
- 水が引かずに便器の水面がせり上がる
- 音と一緒に排水の流れが目に見えて遅い
- 複数の場所(トイレと風呂など)で同時に起きる
この状態で使い続けると溢れることがあります。使用を止めて業者へ連絡してください。
溢れてしまったあとの対処については、浄化槽が逆流して溢れたときの原因と正しい対処法にまとめてあります。
水位が上がってくるのを見たら、それ以上流さないでください。あとは業者に任せてもらって大丈夫です。
ボコボコいい出したときに家庭でできること
連絡をしてから業者が来るまでの間、家庭でできることは多くありません。ただ、被害を広げないためにできることはあります。
まずは水を使う量を減らすことです。洗濯やお風呂の排水はまとまった量が一度に流れるので、配管が細くなっているときは負担になります。業者が見るまでは控えめにしておくと安心です。
反対に、良かれと思ってやると悪化しやすい行動もあります。浄化槽のお宅では、強力なパイプクリーナーを大量に流すこと、熱湯を一気に流すこと、ワイヤーで強引に突くことは避けてください。詳しい理由はトイレが流れないときのNG対処法で解説しています。
日頃の点検で配管まで見てもらえるかどうかも、早期発見につながります。点検の内容や費用は浄化槽の保守点検費用と業者選びを参考にしてください。
よくある質問|トイレのボコボコ音Q&A
トイレがボコボコいうのは浄化槽の故障ですか?
故障とは限りません。私が呼ばれた現場で一番多かったのは配管の詰まりで、浄化槽そのものは正常なことが多いです。ただし放っておくと詰まりは進むので、音が続くようなら点検業者に見てもらってください。
大雨の日にボコボコいうのですが、待てば直りますか?
自治体が「待てば収まる」と案内しているのは下水道につながっている家の場合です。浄化槽のお宅は自分の敷地の配管と浄化槽が相手になるので、同じように考えないほうが安心です。音が繰り返すようなら連絡してください。
すぐに業者を呼んだほうがいいのはどんなときですか?
トイレを流したときに水位が上がってくるときです。水が引かずにせり上がってくる状態は、配管の先で水が行き場をなくしています。そのまま使うと溢れることもあるので、使用を止めて連絡してください。
市販のパイプクリーナーで直せませんか?
浄化槽のお宅では避けてください。強力なパイプクリーナーを大量に流すと、浄化槽の中の微生物を弱らせてしまい、詰まりとは別の不調を招くことがあります。
まとめ|ボコボコは配管からのお知らせ、水位が上がったら止めてください
本記事のポイントを3つにまとめました。
ボコボコという音は、配管のどこかで流れがつっかえているお知らせです。故障の音とは限りません。
私が呼ばれた現場で一番多かった原因は配管の詰まりでした。音の時点で連絡をもらえると、洗浄だけで済むことが多いです。
危険なサインは流したときに水位が上がってくることです。溢れることもあるので、その状態になったら使うのを止めて業者へ連絡してください。
音が出ている段階なら、まだ手は打てます。気になったときは遠慮なく保守点検業者に声をかけてみてください。