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浄化槽の保守点検費用は年1〜3万円|回数と業者選びを現役管理士が解説

お水の守り人
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こんな悩みを解決できます!

これまで300名以上のお客様へ浄化槽の保守点検について説明してきました。

浄化槽の保守点検は正しく汚水処理するために定期的に行う必要があります。

浄化槽の保守点検を行うには、専門業者へ依頼して異常がないか点検記録表に記載してもらう必要があります。

この記事では、浄化槽の保守点検に必要な費用や回数について、もし保守点検を行わない場合どうなるか解説します。

新築を購入して浄化槽が設置してある方やこれまで保守点検を放置している方はぜひ参考にしてください。

浄化槽の保守点検は浄化槽法で義務化されている

浄化槽の保守点検は、浄化槽法によって義務付けられています。

浄化槽法とは

浄化槽法とは、家庭や施設などから排出された生活雑排水などを正しい処理を行い、公共の水環境を守ることが目的の日本の法律です。

保守点検を行わない場合、浄化槽の機能が低下するだけでなく、法律違反になるので行政指導や罰則の対象となる可能性が高いです。

浄化槽の所有者は、定期的な保守点検、清掃、法定検査を受ける必要があります。

浄化槽の保守点検では、正常な汚水処理を行うために点検、空気の調整、消毒薬の補充などを行い汚水処理能力を高い状態で保たせます。

浄化槽の点検を行うには免許が必要

浄化槽の保守点検は、専門業者に依頼して点検を行うのが基本です。

保守点検を自分で行うことはできますが、専門知識、専門の道具、技術が必要なのでおすすめしません。

専門知識がなければ、浄化槽の異常にも気づけずに異臭や故障の原因にもなります。

点検に必要な免許とは

浄化槽の保守点検を行うには、浄化槽管理士免許という国家資格が必要です。

また、点検後に3年間保管しなければならない点検記録表は専門業者にしか発行されないので浄化槽の保守点検を行う際は、都道府県知事の委託を受けている業者に依頼しましょう。

浄化槽の保守点検費用の相場

浄化槽の保守点検費用は一般家庭の場合と大型施設の場合で費用の違いがあります。

  • 一般家庭の費用(50人槽以下)
  • 大型施設の費用

それぞれ浄化槽の特徴と一緒に解説します。

一般家庭の場合

一般家庭の浄化槽の場合、年に3回〜4回保守点検を行い、年間で1万円〜2万円くらいが相場となっています。

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業者によって点検料は異なります!

浄化槽の保守点検料の中に、ブロアが故障した時に無料で交換するための費用が含まれている業者なども多いです。

浄化槽の点検に加入する際は、地元の点検業者に何社か見積り依頼をしてからの契約をおすすめします。

大型施設の場合

大型施設の浄化槽の場合、年間で10万から数十万くらいと広範囲な相場となっています。

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大型浄化槽は、点検項目も多く費用は高いです!

大型浄化槽は以下のような施設に設置してあります。

  • 飲食店
  • 学校
  • 介護施設、病院
  • パチンコ店

大型浄化槽の点検料は、業者によっては数万円の差が出ることもあります。

一般浄化槽と同様に契約時には複数の業者からの見積もり依頼がおすすめです。

浄化槽の点検回数

📊 保守点検の頻度(人槽別)

浄化槽の規模で年間の点検回数が変わる

人槽サイズ点検頻度年間回数想定家族
5人槽4ヶ月に1回3回1〜2人世帯
7〜10人槽4ヶ月に1回3回標準的な家庭
11〜20人槽3ヶ月に1回4回大家族・店舗
21〜50人槽2ヶ月に1回6回小規模事業所
51人槽以上毎月1回12回事業所・施設

※ 一般的な目安。自治体や業者により頻度が異なる場合があります

浄化槽の点検回数は、処理方式によって異なります。

浄化槽の処理方式別に点検回数が何回あるのか、以下の表にまとめました。

点検回数特徴
単独処理浄化槽2回以上トイレからの汚水のみを処理する
合併処理浄化槽2〜4回以上トイレのし尿だけでなく、台所やお風呂などの生活雑排水も一緒に処理する
全バッキ浄化槽4回〜6回汚水をばっ気槽で空気と撹拌し、微生物の働きで浄化する単独浄化槽
接触バッキ方式3〜4回接触材に微生物を付着させて、その生物膜によって汚水を分解させる
分離バッキ方式2〜4回全ばっ気方式に沈殿分離槽を付加させたもの

上記の中でも合併浄化槽が一番処理能力が高く、新築の戸建てではすべて合併浄化槽が設置されます。

浄化槽の保守点検項目

浄化槽の保守点検項目は、単独浄化槽や合併浄化槽によって項目は異なりますが、基本的には同じような点検内容がほとんどです。

以下に保守点検で行う項目を表でまとめました。

点検項目点検内容
1.ブロアの作動確認やフィルター清掃浄化槽内にエアーが送られているか、フィルターの汚れなどを取ります。
2.空気量の確認浄化槽に送られている空気量が適切か確認します。空気が少ないと処理能力は低下します。
3.ばっ気室の状態確認ばっ気室の泡立ち状況、体積汚泥、異臭が有無
4.沈殿槽・接触槽の確認スカムが無いか、水質の状態
5.消毒剤の補充消毒剤(塩素剤)の補充
6.水質の確認最終処理水の透明度をチェックします。見た目、臭い、色など
7.流入水・流出水の確認排水量に対して処理が追い付いているか
8.汚泥の蓄積状況スカムの厚さ、体積汚泥の溜まり具合、汚れがひどければ清掃手配
9.配管・弁類の確認詰まり、漏れ、劣化などが無いかチェック
10.槽内のPH、DOの確認微生物の働きが十分か、浄化槽内が適切な環境かチェック
11.電気系統の確認タイマー、電磁弁、電源、配線、ポンプなど
12.異常音・異臭の確認トラブルや機器の故障を事前に発見する
参照元:浄化槽保守点検管理カード

上記の項目を定期的に専門業者は点検を行い、浄化槽に異常が無いか確認します。

浄化槽の保守点検を放置した場合の注意点

浄化槽の保守点検を放置してしまうと以下のような問題が発生します。

  • 浄化槽法の罰則の対象になってしまう
  • 浄化槽が故障してしまう
  • 悪臭が発生してしまう
  • トイレや水回りで詰まりが発生してしまう

点検の料金を払いたくないために放置しておくと、浄化槽の異変や故障に気付かず点検料よりも高い工事代が必要になる事もあるので注意が必要です。

浄化槽法の罰則の対象になってしまう

浄化槽の保守点検、清掃を怠った場合、浄化槽法の罰則になる可能性があります。

具体的にどのような罰則があるのか以下にまとめました。

罰則になる内容罰金
改善命令・使用停止に従わない場合都道府県知事から保守点検や清掃の「改善命令」または「使停止用命令」が出されているのに従わない6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金
法定検査を拒否・未実施の場合使用開始後の第7条検査や、毎年義務化されている第11条定期検査を実施せず、都道府県知事の命令に従わなかった30万円以下の過料
報告義務違反・不正報告行政庁から保守点検・清掃の報告を求められたのに報告しない、虚偽報告をする30万円以下の罰金
技術管理者不配置など必要な場合に技術管理者を置かなかった30万円以下の罰金
設置届出違反・虚偽届出無届・偽の届出で浄化槽を設置したり、設置後の構造変更を届出せず、または虚偽報告した3ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
使用廃止届出違反浄化槽の使用をやめた際に届出をしない、あるいは虚偽の届出をした5万円以下の過料
行政検査妨害行政庁による立ち入り検査を拒否したり妨害、質門に答えない30万円以下の罰金
参考サイト:環境省公式サイト

浄化槽が故障してしまう

浄化槽の保守点検を放置しておくと、異常に気づかず故障になってしまう原因です。

定期的に浄化槽の蓋を開けて、ブロアのフィルター清掃や接触材への逆洗など管理士免許を取得している者が正しく管理しなければいけません。

浄化槽の故障やトラブルについて具体的に例を以下にまとめました。

  • ブロアの故障
  • 浄化槽の詰まり
  • 異音
  • 悪臭
  • マスから汚水が溢れる

浄化槽が故障してしまうと家の水回りにも異臭や流れないなどの問題が発生します。

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修理は数万から数十万かかる場合もあります

ブロアの故障は浄化槽トラブルの中でも特に多い原因です。

失敗しないブロアの選び方や処分方法をこちらで詳しく解説しています。

悪臭が発生してしまう

浄化槽の保守点検をしていないと、悪臭が発生する原因になります。

悪臭が発生するとトイレやキッチンに臭いが上がってきてしまうので注意が必要です。

浄化槽で悪臭が発生する原因は以下の項目が考えられます。

  • スカムや汚泥が溜まり、分解しきれずに腐敗
  • 汚泥が腐敗され、硫化水素やアンモニアなどの悪臭ガスが発生
  • 微生物が死滅
  • 臭気ガスが分解されていない
  • ブロアが止まっている

以上の原因は、定期的に浄化槽の保守点検を行っていれば防ぐことができます。

悪臭のもとになるガス(硫化水素)は健康被害や爆発のリスクもあるので放置しておくのは危険です。

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悪臭は近所の方にも迷惑をかけてしまうので注意!

トイレやキッチンで詰まりが発生する

浄化槽の保守点検を放置しておくと、トイレやキッチンなどで詰まりが発生する場合があります。

トイレやキッチンが詰まる原因は、浄化槽の中の汚物が溜まりすぎて流入口を塞いでいる場合や途中の配管で何かが引っかかっている可能性が高いです。

浄化槽が原因でお家の水回りが詰まっていると保守点検に入っていれば点検業者はすぐに対応してくれますが、保守点検に加入していないと対応が遅れてしまいます。

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何かあってからでは手遅れです。

水回りが詰まってもすぐに対応してもらえるよう保守点検の加入をおすすめします。

📚 あわせて読みたい関連記事

保守点検で不具合が見つかった場合や、設備の更新を考えるなら、以下の記事も参考になります。

現役管理士が答える「保守点検への素朴な疑問」5つ

現場で月150件以上の浄化槽を点検する中で、お客様からよくいただく質問とその回答を、現役管理士の本音でまとめました。教科書には載っていないリアルな視点でお答えします。

①「点検しないと本当にダメ?」→ 車検と同じ感覚で考える

「点検なんて本当に必要?」と聞かれたら、私はいつも「車の点検や車検をしないのと同じですよ」とお答えしています。浄化槽は普通に使っていても1年で内部のバランスが少しずつ崩れ、放置すると目に見えない異常が必ず出てきます。「動いているから大丈夫」は、車で言えば「走っているから車検しなくていい」と同じ理屈。法律で義務化されているのは、それだけ点検が大切だからです。

② 長期間点検してない家を訪問するとどうなってる?→ スカムがパンパン

点検を長期間してこなかったお宅を訪問すると、スカム(浮上汚泥)が槽内にパンパンに溜まっているケースをよく見ます。通常は20cm程度が清掃の目安ですが、放置された浄化槽では30cm以上になっていることも珍しくありません。スカムが厚くなりすぎると処理能力が落ち、悪臭や水質悪化、さらには配管の詰まりや故障につながります。「気づいた時にはもう手遅れ」になる前に、定期点検が早期発見の砦になります。

③「自分で点検できる?」→ 国家資格が必要です

結論から言うと、浄化槽の点検には「浄化槽管理士」という国家資格が必須です。これは法律で定められており、無資格者が点検することは認められていません。ただし、ご家庭でできる簡易チェックはあります。

  • 異臭がしないか(特に梅雨〜夏場)
  • ブロワの音に違和感がないか(うるさい・止まっている)
  • 水の流れに詰まりがないか(トイレ・キッチンの流れ)

これらの異常を感じたら、すぐ点検業者に連絡してください。早期発見が修繕費を最小限に抑えるコツです。

④ 業者を変えたい時はどうする?→ まず「変えたい理由」を整理

「業者を変えたい」と相談されたら、私はまず「変えたい理由」をお聞きします。理由によって解決策が変わるからです。

  • 料金が高い → 相見積もりで比較してから判断
  • 連絡が遅い・態度が悪い → 変えた方がいいサイン
  • 点検報告書が雑・項目が抜けている → 危険サイン、すぐ変更を推奨
  • 清掃のタイミングが提案されない → 慎重に判断

⑤「うちは新しい槽だから点検しなくても大丈夫」→ 1年で同じ状態になります

これも勘違いされやすいポイントです。新しい浄化槽でも、1年使えばどの槽も同じくらい汚れます。これは浄化槽の構造的に避けられない事実で、「新品だから免除」という考えは通用しません。設置直後は確かに内部はきれいですが、生活排水を処理し始めれば、半年〜1年で他の浄化槽と同じ汚れ具合になります。むしろ新しい槽こそ、初期の状態を業者に把握してもらっておくと、後々のトラブル時に状態変化の比較ができて有利になります。

まとめ

浄化槽の保守点検は浄化槽法によって義務付けられています。

本記事で紹介したように、保守点検を放置しておくと罰則の対象になったり浄化槽が故障してしまう原因の一つです。

万が一のトラブルが起きる前に、専門業者と保守点検の契約を結ぶことをおすすめします。

浄化槽を正しく管理して自宅から排出される汚水をキレイなお水へと処理しましょう。

長期間自宅を空ける予定がある場合は、休止届を出すことで保守点検が一時的に免除される場合があります。

  • この記事を書いた人

ひろと

現役の浄化槽管理士(国家資格)として、実際の現場のリアルやトラブルや対処法などを発信していきます。 浄化槽は正しい管理をしなければ、放流水の水質が悪化、悪臭の発生などを起こし生活環境を悪くしてしまいます。 当サイトは、浄化槽管理士の立場から「浄化槽を正しく管理し、生活環境と水質を守る」ことを目的とした専門サイトです。

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