浄化槽の基本情報

浄化槽の清掃は義務?汲み取りの料金や清掃しないとどうなるか解説!

浄化槽の清掃は浄化槽法によって義務化されています。

浄化槽の清掃を行うには、市区町村に登録されている浄化槽清掃業者への依頼が必要です。

この記事では、浄化槽の清掃について、汲み取りの料金や清掃しない場合はどうなるのかを解説します。

浄化槽の清掃を定期的に行っていない方は是非参考にしてください。

浄化槽の清掃とは

浄化槽の清掃とは、槽内に溜まっている汚泥をバキュームカーで引抜き、機械類を洗浄します。

空になった浄化槽はバクテリアの死滅や故障の原因にもなるので綺麗なお水を張って作業は完了です。

浄化槽の清掃では、バキュームカーという専用の車を使用して引抜きを行うので業者への依頼が必要になります。

清掃を放置した場合、詰まりや故障の原因にもなるので定期的に清掃を行いましょう。

清掃料金は型式や大きさによって異なる

浄化槽の清掃料金は、型式人槽などで料金が決まり、地域や清掃業者によって基本料金も異なります。

浄化槽の人槽とは

浄化槽の人槽とは、処理対象となる人数のことです。延床面積で浄化槽の人槽は決まります。

浄化槽管理士
浄化槽管理士

引き抜いた容量基本料金で清掃料金は決まります!

詳しい浄化槽清掃料金は、お住まいの自治体のWebサイトや清掃業者へ確認してから清掃を行いましょう。

浄化槽の清掃は義務付けられている

浄化槽の清掃は浄化槽法で定められた浄化槽管理者の義務です。

浄化槽管理者は、環境省令で定めるところにより、毎年一回(環境省令で定める場合にあっては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び清掃をしなければならない。

環境省

浄化槽の清掃を行わなければ浄化槽に異常が発生するするだけでなく、法律違反となり罰則を科せられる場合があるので放置している方は注意しましょう。

浄化槽の清掃頻度

浄化槽の清掃頻度は、処理方式によって頻度は異なります。

浄化槽の清掃頻度を処理方式別に以下の表にまとめました。

清掃頻度特徴
全バッキ方式(単独)半年に1回全バッキ方式は、汚泥処理能力が低いため半年に一回清掃が必要です
分離バッキ方式(単独)年一回全バッキ方式よりも汚泥処理能力が高く、清掃頻度は年一回です
分離接触バッキ方式(単独)年一回単独浄化槽の中でも一番汚水処理能力が高いです
合併処理方式(合併)年一回単独浄化槽はトイレの水のみ処理しますが、合併処理浄化槽では家から排出される水を全て処理します単独浄化槽よりも処理能力は高いです

上記の表の清掃頻度はあくまで目安です。

例えば、分離接触バッキの浄化槽を使用している家庭で使用人数が多く1年おきの清掃では詰まってしまう場合もあります。

保守点検業者と浄化槽内の状態を確認し、的確な清掃のタイミングで行いましょう。

浄化槽の清掃料金の相場

浄化槽の清掃料金は清掃業者によって異なります。

人槽別の清掃料金を以下にまとめました。

  • 5人槽:1万~3万
  • 7人槽:2万~4万
  • 10人槽:3万~5万
浄化槽管理士
浄化槽管理士

清掃料金が不安な方は、清掃前に見積もり依頼しましょう!

浄化槽の清掃をしないとどうなるか

浄化槽の清掃を放置しておくと以下のようなトラブルが発生してしまいます。

  • 浄化槽の機能を発揮できない
  • 悪臭が発生する近隣トラブルになる
  • トイレやキッチンなどで詰まりの原因になる
  • 浄化槽が故障する

万が一のトラブルにならないように、定期的な浄化槽の清掃は行いましょう。

浄化槽の本来の機能を発揮できない

浄化槽の清掃を行っていない場合、汚泥処理能力は低下し本来の処理機能を発揮できなくなります。

浄化槽管理士
浄化槽管理士

汚い水のまま側溝へ流れてしまうよ。。

槽内は、微生物が汚泥を分解しますが清掃しないと汚泥やスカムが蓄積し、浄化槽内の微生物を死滅させてしまうからです。

他にも槽内の配管にスカムが詰まったり、エアーが出る穴に汚れが詰まったりすると処理能力は低下してしまいます。

正しい処理機能を発揮するためにも、浄化槽の清掃は定期的に行う必要があります。

悪臭が発生し近隣トラブルになる

浄化槽の清掃をしないと汚れが溜まり悪臭が発生します。

浄化槽管理士
浄化槽管理士

特に夏の時期なんかは臭いが出やすいので注意!

槽内に汚れが溜まりすぎてしまうと、浄化槽本来の汚泥処理機能を十分に発揮できないからです。

浄化槽は汚れを槽内に溜めて、微生物によって綺麗になった水のみを放流します。

自分の敷地内のみに臭いが発生するだけならいいですが、近隣にまで悪臭が届いてしまうとトラブルにもなるので定期的な清掃をしましょう。

水回りの詰まり原因になる

浄化槽の清掃をしないとトイレやキッチンで詰まるが発生することがあります。

浄化槽までの配管、槽内の流入口、マスなどに何か汚物が引っかかったり、汚れが蓄積されたりするのが原因です。

配管やマスは、定期的に清掃していても何か溶けにくいものを流すと詰まることはありますが、浄化槽の流入口は清掃しないことでスカムなどが詰まりの原因になります。

突然の詰まりが発生しないためにも、浄化槽の清掃を定期的に行うことをおすすめします。

浄化槽が故障する

浄化槽の清掃を定期的に行わないと故障する場合があります。

スカムが溜まりすぎてしまい、接触材や配管、仕切りなどが重さに耐えられなくなるからです。

浄化槽の工事費は数万円〜数十万円と内容によって金額は違いますが安くはありません。

浄化槽の槽内に異常や故障の原因を発生させない為にも清掃は必ず行いましょう。

罰則を科せられる可能性がある

浄化法で義務付けられている清掃を怠ると罰則を科せられる可能性があるので注意が必要です。

保守点検や清掃が定められた基準に従って行われていないとして、都道府県知事に改善措置や使用停止を命じられたにも関わらず、この命令に違反した場合→6か月以下の懲役又は100万円以下の罰金

環境省

浄化槽の清掃は、法律で定められているので定期的に行うようにしましょう。

まとめ

浄化槽を使用している方は、定期的な汲み取り清掃が必要です。

清掃しないと悪臭や詰まり、浄化槽の故障にもなるので注意しましょう。

特に、新しく住み始めた家が浄化槽で清掃が必要なんて知らない方も多いです。

本記事で解説したように、使用している浄化槽の清掃頻度を理解し、専門業者へ見積依頼をして清掃を行いましょう。

  • この記事を書いた人

ひろと

現役の浄化槽管理士として、実際の現場のリアルやトラブルや対処法などを発信していきます。 浄化槽は正しい管理をしなければ、放流水の水質が悪化、悪臭の発生などを起こし生活環境を悪くしてしまいます。 こちらのサイトは『お水をキレイにするサイト』というテーマで発信を続けていきます。

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