「浄化槽の家って水道代が高いんでしょ?」と、お客様によく聞かれます。ですが、これは大きな誤解です。
月150件以上の浄化槽を点検している現役管理士が、浄化槽の家の水道代の本当のところと、トータルコストの考え方、安く抑えるコツまで正直に解説します。
「浄化槽だから水道代が高い」と思い込んでいる方、実はとても多いんですよ。まずはその誤解から解いていきましょうね。
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結論|「浄化槽だから水道代が高い」は誤解
結論からお伝えすると、浄化槽だからといって水道代が高くなることはありません。むしろ浄化槽の家は「下水道料金」がかからないぶん、水道の請求額だけを見れば下水道の家より安いことが多いのです。
ただし、浄化槽には別に「維持費」がかかります。だから水道代だけで比べるのではなく、維持費まで含めたトータルコストで考えるのが正解です。
浄化槽の家の水道代のしくみ|下水道料金がかからない
水道に関する料金は、大きく分けて2種類あります。このうち浄化槽の家は「下水道料金」を払いません。
⚖️ 下水道の家と浄化槽の家、費用の中身
同じ水を使っても請求のしくみが違います
下水道の家
上水道料金
+ 下水道料金
(使った水の量に応じて上乗せ)
浄化槽の家
上水道料金のみ
(下水道料金はなし)
+ 別途 浄化槽の維持費
同じ量の水を使っても、下水道料金がのらないぶん、浄化槽地域のほうが水道の請求額は安くなりやすいのです。
実際の単価で見ると、下水道地域で1立方メートルあたり約380円、浄化槽地域で約210円といった差が出る例もあります(あくまで一例です)。
維持費を入れた「トータルコスト」で考えよう
水道代だけ見れば浄化槽の家は安く見えますが、浄化槽には次のような維持費がかかります。
- 保守点検(年3〜4回)
- 清掃や汲み取り(年1回)
- 法定検査(年1回)
- ブロワの電気代(毎月)
これらを合わせると、維持費はおおよそ月3,000〜6,000円(年4〜6万円)が目安です。
この維持費を水道代に足してトータルで比べると、水をたくさん使う家庭は下水道料金がかさむため浄化槽が有利になりやすく、水をあまり使わない家庭は維持費が重く感じられて下水道が有利になりやすい傾向があります。
「浄化槽は損」でも「浄化槽は得」でもなくて、結局は水の使い方しだいなんですよ。
維持費の内訳をくわしく知りたい方は、浄化槽の維持費は年間いくら?もあわせてご覧ください。
実際の費用を比べてみると?
📊 月々の費用の比較例
| 項目 | 下水道の家 | 浄化槽の家 |
|---|---|---|
| 水道代(請求額) | 約6,900円 | 約4,800円 |
| 浄化槽の維持費 | なし | 約3,900円 |
| 合計(月) | 約6,900円 | 約8,700円 |
※地域や使用量で変わるため、あくまで一例です
この例では、水道の請求額そのものは浄化槽の家のほうが約2,000円安い一方で、維持費を足すと逆に浄化槽の家のほうが高くなっています。ただしこれは使う水の量が近い場合の話です。大切なのは、水道代だけで判断せず、わが家の使用量を基準にトータルで比べることです。
浄化槽の家で水道代やコストを抑える3つのコツ
浄化槽の家でも、ちょっとした工夫で水道代やコストは抑えられます。ポイントは「節水」「漏水チェック」「維持費の見直し」の3つです。
💡 水道代とコストを抑える3つのコツ
- 節水する:残り湯の再利用や、流しっぱなしを減らす
- 漏水をチェックする:水道メーターで水漏れを早めに見つける
- 維持費と電気代を見直す:業者選びと省エネブロワで下げる
どれも今日から始められるものばかりなので、できそうなものから取り入れてみてください。
まずは節水です。お風呂の残り湯を洗濯に使う、水を流しっぱなしにしないなど、使う水の量が減れば上水道料金が下がります。
次に漏水のチェックです。水道代が急に上がったときは、トイレや配管の水漏れが原因のこともあります。家じゅうの水を止めても水道メーターが回っているなら、漏水を疑いましょう。
最後に維持費と電気代の見直しです。地元の信頼できる業者を選び、ブロワを省エネタイプに替えると電気代も下げられます。
下水道に切り替えたら水道代はどうなる?
お住まいの地域に下水道が来て切り替えると、浄化槽の維持費(点検や清掃)はなくなりますが、代わりに下水道料金が水道代に上乗せされます。長期的には浄化槽と同じくらいか、使う水の量によっては下水道のほうが安くなるケースもあります。切り替えの工事や費用は浄化槽から下水道への切り替え、そもそもの違いは浄化槽と下水道の違いでくわしく解説しています。
よくある質問(FAQ)
浄化槽の家は下水道料金を払うの?
いいえ。下水道につながっていないため、下水道料金はかかりません。その代わりに、保守点検や清掃、法定検査などの維持費を負担します。
浄化槽だと水道代が安くなるって本当?
水道の請求額だけを見れば、下水道料金がないぶん安くなることが多いです。ただし維持費を含めたトータルでは使う水の量しだいなので、請求書の数字だけで判断しないようにしましょう。
水道代が急に高くなりました。浄化槽が原因ですか?
浄化槽が水道代を直接押し上げることはありません。急に上がったときは漏水(トイレや配管の水漏れ)の可能性が高いので、まず水道メーターで漏れを確認してください。
浄化槽の家は水道の基本料金も高いの?
いいえ。基本料金は地域の水道事業者が決めるもので、浄化槽かどうかは関係ありません。浄化槽だから基本料金が上乗せされることはないので、安心してください。
まとめ|水道代は「請求額」より「トータル」で考えよう
本記事のポイントを3つにまとめました。
- 「浄化槽だから水道代が高い」は誤解。下水道料金がないぶん、請求額はむしろ安いことが多いです
- 判断はトータルコストで。維持費(月3,000〜6,000円)を足して、使用量しだいで有利不利が変わります
- 節水と漏水チェックで節約。維持費は信頼できる業者選びで上手に抑えましょう
水道代は「請求額」だけでなく「トータル」で見るのが正解です。わが家の使い方に合わせて、無理なくコストを抑えていきましょう。