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浄化槽の種類完全比較|6タイプの違いと選び方を現役管理士が解説

「うちの浄化槽って、結局どのタイプなんだろう?」と思ったことはありませんか?実は浄化槽は構造別に6つのタイプがあり、それぞれ処理能力、点検頻度、清掃頻度が違います。

本記事では、現役の浄化槽管理士が点検現場で見ている6タイプの違い、選び方、既設の場合の交換タイミングまで、比較表でわかりやすく解説します。

お水の守り人
お水の守り人

浄化槽って実は6種類もあるんです。お家のがどのタイプか分かれば、点検、清掃、交換のタイミングがバッチリ見えてきますよ!

浄化槽の6つの主要タイプ

浄化槽は構造の進化に沿って大きく6タイプに分かれます。古い順に処理能力が向上してきたので、自宅のタイプを把握すると点検、清掃の頻度の理由も見えてきます。

📜 浄化槽 6タイプの進化

古い順から現代の主流まで、構造別に進化してきました

①腐敗タンク

最も古いタイプの単独処理。汚水を腐敗槽でゆっくり分解する

②全ばっ気

槽全体に空気を送る単独処理。腐敗タンクより処理能力が向上

③分離ばっ気

沈殿分離槽とばっ気槽を分けた単独処理。処理がさらに安定

④分離接触ばっ気

接触材を入れて微生物の付着面積を増やした単独処理の最終型

⑤合併処理

トイレ+生活排水も処理する現代の主流。新設はこれ一択

⑥大型

51人槽以上。事業所・学校・福祉施設などで使われる大規模タイプ

1つずつ、現役管理士の視点で詳しく見ていきます。

① 腐敗タンク方式|最も古い単独処理

1960年代までよく使われていた最古のタイプです。汚水を腐敗槽でゆっくり嫌気的に分解するシンプルな構造で、処理能力は現代基準では不十分です。

現在も一部の古い住宅で稼働していますが、新規設置は法律上できません。維持管理に手間がかかるので、見つけたら早めの交換をおすすめします。

② 全ばっ気方式|単独処理の基本型

1970年代以降に普及した単独処理浄化槽です。槽全体に空気を送り、好気性微生物で汚水を分解します。腐敗タンクより処理能力が高く、ブロワが必須になった世代です。

ただし処理対象はトイレの汚水のみで、台所、お風呂などの生活排水はそのまま側溝に流れる構造です。環境負荷の観点から、現代では合併処理への切り替えが推奨されます。

③ 分離ばっ気方式|単独処理の改良型

沈殿分離槽とばっ気槽を別々に設けた単独処理です。固形物の沈殿と微生物による分解を分けて処理することで、全ばっ気よりさらに安定した水質が出せるようになりました。

1980年代の住宅でよく見かけるタイプで、現役で稼働しているケースも多いです。とはいえ単独処理であることには変わりないので、生活排水の処理は別途必要です。

④ 分離接触ばっ気方式|単独処理の最終型

ばっ気槽の中に「接触材」と呼ばれるプラスチック製のろ材を入れたタイプです。微生物が付着する表面積を大幅に増やせるので、処理能力がぐっと向上しています。

単独処理浄化槽としては最も新しい構造ですが、それでも合併処理に比べると処理対象が限定的なのが弱点です。

⑤ 合併処理浄化槽|現代の主流

2001年の法改正以降、新規設置はこのタイプ一択となりました。トイレ排水も生活排水も全部まとめて高度処理できるので、放流水がきれいで環境への負荷が小さいのが特長です。

現役管理士として点検する家庭の8割はこのタイプです。補助金を使った設置工事も活発で、単独処理からの切り替え需要も増えています。詳しくは浄化槽の補助金で半額に!対象・金額・申請方法を解説をご覧ください。

⑥ 大型浄化槽|事業所・施設用

51人槽以上の浄化槽は「大型」と呼ばれ、事業所、学校、福祉施設、小規模なマンションなどで使われます。家庭用とは規模も処理方式も異なり、専門の維持管理業者が日常的に管理しています。

個人住宅にはほぼ縁のないタイプですが、地域の浄化槽全体像を理解するうえで知っておくと役立ちます。

単独処理と合併処理の決定的な違い

6タイプの中でも、特に重要なのが「単独処理」と「合併処理」の違いです。処理対象、処理能力、法律上の扱いまで全然違うので、お家のタイプを把握するうえで欠かせないポイントです。

⚖ 単独処理 vs 合併処理

単独処理浄化槽

トイレ汚水のみ処理(旧型)

🚽 処理対象
トイレの汚水のみ

📊 処理能力(BOD)
90mg/L以下が基準(やや低め)

⚖ 法律上の扱い
2001年以降は新規設置NG

🌍 環境負荷
生活排水は素通りで負荷大

合併処理浄化槽

全部まとめて高度処理(現代型)

🚽 処理対象
トイレ+台所+お風呂+洗面所

📊 処理能力(BOD)
20mg/L以下が基準(高い)

⚖ 法律上の扱い
新規設置はこれ一択

🌍 環境負荷
放流水がきれいで河川に優しい

3つの観点から、もう少し詳しく見ていきます。

① 処理対象の違い|単独はトイレだけ

単独処理浄化槽が処理するのはトイレの汚水だけ。台所の油汚れ、お風呂のシャンプー、洗面所の歯磨き粉などの生活排水は処理されず、そのまま側溝に流れていきます。

合併処理浄化槽は名前のとおり、トイレ汚水と生活排水を「合併して」処理します。家庭から出る全ての排水がきれいになって放流されます。

② 処理能力の違い|BOD除去率が4倍以上

水質を表す指標「BOD(生物化学的酸素要求量)」で比較すると、放流水質の基準が大きく違います。

  • 単独処理: BOD 90mg/L以下が基準
  • 合併処理: BOD 20mg/L以下が基準

数字が小さいほどキレイな水。合併処理は単独処理より4倍以上クリーンな水を放流できる計算です。河川や海への環境負荷が圧倒的に小さくなります。

微生物の働きの仕組みは浄化槽の仕組みを図解で解説|微生物が汚水をきれいにする4ステップで詳しく紹介しています。

③ 法律上の扱い|2001年法改正で合併必須に

2001年の浄化槽法改正により、新規に設置する浄化槽は合併処理に限定されました。これ以降、単独処理浄化槽の新設は原則できません。

つまり今お家が単独処理を使っている場合、それは2001年以前に設置されたものです。25年近く使い続けている計算で、寿命や処理能力の観点から交換タイミングが近づいているケースが多いです。詳細は浄化槽の寿命は30年?交換が必要な4つのサインと費用相場もご覧ください。

「人槽」は住人の数じゃなく土地の面積で決まる

現役管理士としてよく相談されるのが、「うちは5人家族だから5人槽でしょ?」という誤解です。実は、人槽の数字は住人の人数とは違います。

お水の守り人
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人槽は建物の延床面積で決まるんですよ。だから5人家族でも7人槽になることはあるし、定期清掃は人数関係なく必要です。

JIS規格で決められた計算ルールに沿って、建物の延床面積から人槽が算出されます。一般的な目安はこちらです。

  • 延床面積130㎡以下 → 5人槽
  • 延床面積130㎡超 → 7人槽
  • 大きな住宅・二世帯住宅 → 10人槽以上

つまり「住んでいる人数が少ないから清掃を減らしていい」は通用しません。法律で年1回の清掃が義務付けられているので、人槽に関係なく定期メンテナンスは必須です。詳しくは浄化槽の清掃は義務?汲み取りの料金や清掃しないとどうなるか解説もご確認ください。

これから浄化槽を選ぶときのポイント

浄化槽の選び方は「新設するか」「既設のがあるか」で大きく変わります。それぞれの状況別にポイントを整理しました。

新設する場合|合併処理浄化槽が一択

2001年の法改正以降、新規設置は合併処理浄化槽の一択です。タイプ選択の余地はないので、選ぶべきは「人槽」と「業者」になります。

  • 人槽は延床面積で決まる(家族の人数で勝手に決められない)
  • 設置工事には自治体から33〜72万円の補助金が出る
  • 業者選びは複数の見積もりで比較するのが安全

新設の費用相場と工事の流れは汲み取り式トイレを水洗トイレにリフォームしたい!浄化槽にした場合の費用相場を徹底解説もあわせてどうぞ。

既設で単独処理を使っている場合|交換を検討

お家がすでに単独処理浄化槽を使っているなら、合併処理への交換を検討するタイミングです。理由は3つあります。

  • 2001年以前の設置 → 25年以上経過しており寿命に近い
  • 処理能力が現代基準を満たしていない(環境負荷が大きい)
  • 多くの自治体で「単独 → 合併」交換に補助金あり

交換のタイミングや費用感の詳細は浄化槽の寿命は30年?交換が必要な4つのサインと費用相場を、補助金活用の手順は浄化槽の補助金で半額に!対象・金額・申請方法を解説をご覧ください。

既設で合併処理を使っている場合|定期点検でOK

合併処理浄化槽が現役で動いているなら、定期的な保守点検と清掃を続けるのが基本です。設置から20年程度は問題なく使えるので、急いで交換する必要はありません。

点検と清掃の詳細は浄化槽の保守点検は義務?費用や回数は?放置するとどうなるか解説もどうぞ。

よくある質問(FAQ)

自宅の浄化槽がどのタイプか調べる方法はある?

保守点検業者からもらう点検記録票に、浄化槽の種類と人槽が記載されています。また設置時の書類(浄化槽設置届出書)にも明記されているので、家のどこかに保管されているはずです。分からない場合は、現在依頼している点検業者に聞くのが一番早く正確です。

単独処理から合併処理へ自分で交換できる?

絶対にできません。浄化槽の設置には専門業者の工事が必要で、自治体への届出も求められます。また、適正な人槽の計算、配管工事、既設浄化槽の撤去など、専門知識と重機が必要な作業ばかりです。必ず登録業者に依頼してください。

コンパクト型浄化槽って6種類のどこに入る?

コンパクト型は「合併処理浄化槽」のサブカテゴリです。従来の合併処理浄化槽より小型化したタイプで、狭い土地でも設置しやすいよう改良されたもの。処理能力は通常の合併処理と同等です。

まとめ|自宅の浄化槽タイプを把握すると管理がラクになる

本記事のポイントを3つにまとめました。

  • 浄化槽は構造別に6タイプに分かれ、古い順に処理能力が向上してきた
  • 単独処理は2001年以降新設NG・合併処理が現代の主流
  • 人槽は延床面積で決まる(家族の人数とは別)・既設の単独処理は交換検討の時期

自宅の浄化槽がどのタイプか把握しておくと、点検頻度や清掃のタイミング、将来の交換時期も見通しやすくなります。下水道との比較については浄化槽と下水道の違いは?それぞれのメリットやデメリットを紹介も合わせてご覧ください。

  • この記事を書いた人

ひろと

現役の浄化槽管理士(国家資格)として、実際の現場のリアルやトラブルや対処法などを発信していきます。 浄化槽は正しい管理をしなければ、放流水の水質が悪化、悪臭の発生などを起こし生活環境を悪くしてしまいます。 当サイトは、浄化槽管理士の立場から「浄化槽を正しく管理し、生活環境と水質を守る」ことを目的とした専門サイトです。

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